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小さなコンピュータを使って、電気の働きの理解を深めよう

教科の学びでのポイント

  • センサーを用いてLEDの点灯を制御するプログラミングを体験する。
  • 理科の電気の働きの学習と関連付け、エネルギーを効率よく使うための仕組みについて学ぶ。

単元の目標

・身の回りに見られる電気の利用について興味をもつ。

・電気は、手回し発電機などを使って作り出したり、コンデンサーなどにためたりすることができること、光、音、運動などに変換されること、また、発熱については電熱線の太さによって発熱の仕方が変わることを捉えることができるようにする。

・電気の性質やはたらきについて推論する能力を育てるとともに、それらについての理解を図ることができるようにする。

 

プログラミング的思考とのつながり

 平成29年3月に告示された新学習指導要領では、理科の「第3 指導計画の作成と内容の取扱い」の2の(2)に以下のような記述がある。

また、第1章総則の第3の1の(3)のイに掲げるプログラミングを体験しながら論理的思考力を身に付けるための学習活動を行う場合には、児童の負担に配慮しつつ、例えば第2の各学年の内容の〔第6学年〕の「A物質・エネルギー」の(4)における電気の性質や働きを利用した道具があることを捉える学習など、与えた条件に応じて動作していることを考察し、更に条件を変えることにより、動作が変化することについて考える場面で取り扱うものとする。

本時はこの内容をうけて展開するものである。

 この単元では、手回し発電機を使って自分で電気をつくりだし、その電気を蓄えたり、変換したりすることにより、エネルギーが蓄えられることや変換されることを体験的に捉えられるようにする。また、エネルギー資源の有効利用という観点から、電気の効率的な利用についても捉えられるようにする。これらのことを学習した後、身の回りにあるセンサーとLEDを用いて点灯を制御するプログラミングを体験することを通して、自分たちの身の回りにあるエネルギーを効率よく利用している道具の仕組みに興味をもたせるとともにプログラミング的思考を育成するようにする。

 プログラミング的思考は「小学校段階におけるプログラミング教育の在り方について(議論の取りまとめ)」において、以下のように定義されている。

(コンピュータを問題解決に活用する)そのためには、自分が意図する一連の活動を実現するために、どのような動きの組み合わせが必要であり、一つ一つの動きに対応した記号を、どのように組み合わせたらいいのか、記号の組み合わせをどのように改善していけば、より意図した活動に近づくのか、といったことを論理的に考えていく力

 本時では、「暗くなったら点灯する」という動作を実現するために、必要なものとしてLEDや光センサーというものがあり、ブロック型プログラミングによってコンピュータで制御できることを知らせる。それらをどのように組み合わせればいいのかを考え、実際に試してみる活動を通して、その動作の仕組みを児童が体験的に捉えられるようにする。更にその動作を自分で考えた条件に合うように変えるためには、センサーなどの機器やプログラムをどう改善すればいいのかを考え、実際に試してみる。友達のプログラムと比べることや試行錯誤を繰り返すことの中で量的な関係の視点を働かせ、問題解決のために考えることが「主体的・対話的で深い学び」につながる。

 

評価規準

自然現象への

関心・意欲・態度

科学的な思考・表現 観察・実験の

技能・表現

自然事象についての

知識・理解

発電の仕組みや電気の利用に興味をもち、電気はどのようにして作られ、どのように利用されているかについて、進んで調べようとしている。

電気が熱に変換されることに興味をもち、進んで身の回りで電気が熱に変換される例を調べようとしている。

電気の性質を利用したおもちゃ作りに興味をもち、進んで製作しようとしている。

身の回りの電気の利用について、エネルギーの有効利用の観点から考え、自分の考えを表現している。

電熱線の長さを一定にして電流を流すと、電熱線の太さによって発熱の仕方が変わると推論し、自分の考えを表現している。

手回し発電機にいろいろな器具を適切に接続し、電気が光、音、運動などに変換されて利用されていることを調べ、実験結果を記録している。

コンデンサーを手回し発電機に正しく接続して電気をため、ためた電気を使っている。

電熱線の太さによる発熱の仕方の違いを調べている。

電気の性質を利用したおもちゃを工夫して作っている。

電気は手回し発電機などを使って作ることができ、電気は光、音、運動などに変えることができることを理解している。

電気は、コンデンサーなどにためて使うことができることを理解している。

電熱線に電流を流すと発熱し、長さを一定にした電熱線では、電熱線の太さによって発熱する程度が変わることを理解している。

身の回りには、電気の性質やはたらきを利用したさまざまな道具があることを理解している。

 

単元について

  本単元では、発電や蓄電の仕組みなどを調べることによって、電気はつくったり、蓄えたり することができること、物によって流れる電流の大きさが異なるといった新たな見方や考え 方ができるようになることを目指している。

  まず、手回し発電機等を使って実際に自分たちの手で発電する体験を十分に行い、そこから得た事実を基にその仕組みについて推論させていく。次に、電気は蓄えることができ、物によって流れる電流の強さが異なることをとらえさせるために、発電機でコンデンサーに電気を蓄え、豆電球や発光ダイオード(LED)、モーターなどにつなぐ活動を取り入れる。さらに、長さが一定で太さの異なる電熱線では発熱の程度が変わることに気付かせていく。こうした体験的な活動を通して、電気は光・力・熱、運動などに変えられることを理解させていく。

  そして、身のまわりには電気を効率よく利用するためにセンサーなどの機器があり、そのセンサーなどの機器はプログラミング技術が活用されていることを体験的に理解させたい。さらには、環境への負荷の軽減や環境の保全を大切にしようとする態度を育てていきたい。

 

学習指導計画(全11時間)

学習活動 評価
モーターの軸を回して発電してみる。 興味をもって発電を体験し、その電気を利用しようとしている。
手回し発電機で発電し、どんな特徴があるかを調べる。 手回し発電機のはたらきについて推論し、自分の考えを表現している。
手回し発電機の回す方向を変えると電流の流れはどうなるかを調べる。 実験の結果から、ハンドルの回し方によって電流の向きが変わると考察し、自分の考えを表現している。
手回し発電機を速く回すと電流の強さはどうなるかを調べる。 実験の結果から、ハンドルの回し方によって電流の強さが変わると考察し、自分の考えを表現している。
発電した電気をコンデンサーに蓄え、利用することができるかを調べる。 コンデンサーに興味をもち、電気はつくり出したり蓄えたりでき、光や音、運動に変えることができることを理解している。
ハンドルを回す回数でたまる電気の量は違うのか調べる。 コンデンサーのはたらきを調べ、結果を記録することができる。
発光ダイオード(LED)と豆電球の違いについて調べる。 LEDは豆電球に比べ、少しの電気で長い間明かりをつけられると考え、自分の考えを表現している。
電熱線がよく発熱する条件を調べる。 太さの違う電熱線や電源装置を使って、発熱の違いを安全に配慮して調べている。
電熱線を太くすると発熱しやすいかを調べる。 電熱線の発熱は、電熱線の太さによって変わることを理解している。また、電気は熱にも変わることを理解している。
10 身の回りにある道具の、電気の利用の仕方について調べる。 身の回りには、電気の性質やはたらきを利用した道具があることを理解している。
11 センサーを使って、LEDをつけたり消したりするプログラムをつくる。 LEDの点灯(消灯)を制御するプログラムを仲間と一緒に考えることで、自分たちの身の回りにあるエネルギーを効率よく利用している道具に興味をもつ。

 

本時について

目標 LEDの点灯(消灯)を制御するプログラムを仲間と一緒に考えることで、自分たちの身の回りにあるエネルギーを効率よく利用している道具やプログラミングに興味をもつ。

展開

時間 学習活動と児童の思考の流れ 指導上の留意点 ☆評価 ◎支援
1.前時のふりかえりを行う。

・身の回りにはたくさんの電気を使った道具がある

・電気は、光、熱、運動、音などに変えられている

2.電気を効率よく活用するためのセンサーやプログラミングについて知る。

・エアコンのタイマー

・人感ライト

・スマホの電源

3.課題を確認し、センサーのプログラムをつくる。 センサーが働いたときにLEDが点灯し、しばらく経ってから消灯するようなプログラムを考え、ブロックをつなげて実際に試してみる。

4.まとめとふりかえりをする。

プログラミングによって、もっと便利になるかもしれない。

・電気を少しでも無駄にしないために、プログラミングは必要だ。

・人感ライトやエアコンなど、身のまわりにある機器について画像などによって具体的に想起させる。

・本時で使うものを確認し、それぞれの役割についても押さえる。(micro:bit、ブロックエディター)

・最初に個人で考えたあと、グループで話し合うようにさせる。

☆LEDの点灯(消灯)を制御するプログラムを友達と一緒に考えることで、自分たちの身の回りにあるエネルギーを効率よく利用している道具やプログラミングに興味をもつ。

◎基本的な動作をさせることに成功したら、音を出したりセンサーやLEDを他の物に切り替えたりして多様な動作が可能であることを確かめさせる。

・どれも入力(センサー)と出力(LEDやモーターなど)がコンピュータのプログラムによって制御されていることを確認する。

評価 必要な条件とそれに応じた動作を実現するプログラムをつくることを通して、電気を効率的に使うことについて考えることができたか。

準備環境

使用したプログラミング言語や実行環境

  • 使用した教材:micro:bit
  • 教材の特徴;1個2000円程度で購入できるコンピュータ。ソフトなどインストール不要でプログラミングを開始できる。

教室の設備

  • 実施場所:インターネット接続可能な教室
  • ICT環境:PCからUSBでつなぐ。タブレットの場合はBluetoothを利用する。

授業で使用している「micro:bit」とは

イギリスでBCCが開発した小さなコンピュータ。イギリスでは小学校5・6年生100万人に無料配布され、日本では2017年8月に販売されました。

・光や加速度などの各種センサーつき

・2,000円台で購入できる

・ブラウザがあればプログラムできる

・PCとUSBで接続(タブレットの場合はBluetoothで接続)

 

クリエイティブ・コモンズ・ライセンス
この 作品 は クリエイティブ・コモンズ 表示 – 非営利 – 継承 4.0 国際 ライセンスの下に提供されています。