英語×Scratchで楽器を表す単語を楽しく覚えよう

教科の学びでのポイント

  • プログラミングを取り入れることで、活動の中に楽器の名前を英語で表現する必然性を組み込むことができ、英語活動と音楽科の教科横断的な学習を実現することにつながる事例です

単元の目標

楽器を表す単語とIt’s~.の表現に慣れ親しむ。

実践の概要


実際に英語を使う場面を設定し、意味ある文脈の中で学び使うことを促し、体験的に理解を深めるCLILL授業を実践する。(※CLILL授業とはCLIL はContent and Language Integrated Learning(内容言語統合型学習)の略語で「クリル」と読みます。内容(社会や理科などの教科ないしは時事問題や異文化理解などのトピック)と言語(実質的には英語)の両方を学ぶ教育方法。)

楽器の音当てゲームを行う。ゲームでは、グループが作った音、楽器を英語で尋ね、グループで作った楽器の紹介を行う。その活動の中で、「尋ねること」「答えること」「楽器の名前」を学ぶ。

次時には、それぞれのグループの楽器を使って、合奏を行う。

また、音楽の単元にある「節づくり」でもScratchを活用し、学びを横断的に継続させていく。

ゲームの題材となる楽器を準備する際に、場所や大きさを選ばないコンピュータを使用する。その際に、Music maker(Scratch)を活用し、音(楽器)を作成する活動を取り入れる。

プログラミング的思考との繋がり

意図した活動を実行するため、複数の手順を、順次処理、繰り返し処理などを利用して組み合わせ、書き出したり、他者に伝えたりすることができる。

全体指導計画(全体時間計画)

1.Scratchを使って音を出す

2.作った音を使って演奏をする

本時の展開

MEMO
事前にスクラッチの操作に1度でも触れておくと、活動がスムーズである。
スクラッチの「music maker」内に出てくる、楽器のスプライトの数が多いので、本時の指導の際に、選択肢を限定するとよりスムーズです。
選んだ楽器にあった音を作り出せるように、楽器の英単語の練習の際に音をイメージさせながら練習する。
拡大掲示できるような、画面のカードや絵カードの準備が有効

児童の学習活動 学級担任 ALT・JTE
①あいさつ

②めあての確認

③ビートゲームで体を使ってリズム遊び。

 

④楽器の単語の発音練習

⑤Scratchを使った活動の説明を聞く。

⑥学級担任と一緒に練習する。

⑦グループで作成する。

⑧代表で数名発表

①ALTの質問に児童と一緒に答える

②めあての提示

③ビートゲームの模範演技

④児童と一緒に発音する。

⑤ALTの説明を日本語でサポート(掲示物)

⑥児童と一緒に一例を制作

⑦机間指導(支援)

⑧児童の指名

①天気、曜日、月日、時間の発問→

②児童と共に確認

③担任と模範演技

④楽器の言い方・発音例

⑤Scratchの作成・説明

⑥作成の際の英語発音サポート

⑦机間指導(サポート)

⑧児童の発表サポート(英単語発音)

①あいさつのサポート

②児童と共に確認

③ビートゲームの進行

④進行サポート

⑤説明のサポート

⑥活動のサポート

⑦机間指導

⑧タブレットPCの操作

準備環境

使用したプログラミング言語や実行環境

  • 使用した教材:スクラッチ「music maker」
  • 教材の特徴:無料で使用できる、自由度の高いビジュアルプログラミング言語です。日本語設定ではなく、英語設定で使用することで、新しい単語を知ることができます。

教室の設備

  • 実施場所:教室
  • ICT環境:タブレットが10、キーボード10台
  • 児童台のタブレット・キーボード

 

授業で使用している「スクラッチ」とは

Scratchは、プログラミング言語として「ブロック」と呼ばれる絵柄を組み合わせてプログラミングができます。

創作活動の自由度が高く、ブロックを組み合わせることで「自分の意図した活動を実現できる」プログラミング言語です。

今回はHour of Codeをブラウザ上で検索して、Hour of Codeからスクラッチにアクセスして使用しています。

「Hour of Code」から「music maker」を選んで進めることで、楽器づくりに限定したチュートリアルが活用できるために、自由度高いスクラッチにあって、活動目的がぶれずに進めることができます。

スクラッチの使い方は下記本を参考にしてください。

参考 できるキッズ 子どもと学ぶ Scratch プログラミング入門amazon

 

振り返り

児童の感想

「同じ音を選んでも、プログラミングの仕方で音の長さや高さをかえることができて、自分たちだけの音が作れた。」
 「思っていたより、簡単に楽器を作ることができた。」
 「友だちと同じ楽器を選んでいても、音の高さや長さが微妙に違って面白かった。」
 「普段使っている楽器の名前と英語の言い方が違っている楽器が、結構多くてびっくりした。」
 「いくつかの楽器を合わせて、曲を作ってみたい。」

「キーボードを押すと、どんな音になるかをプログラミングするのが面白かった。」

「プログラミングすることで、キーボードだけでオーケストラのようにいろいろな音を出すことができそうで楽しみ。」

 

 スクラッチの操作には慣れていたのと、グループで協力し合いながら取り組むことができたので、スクラッチの操作に戸惑ってしまい活動が止まるようなことはなかったです。
自分たちの制作が終わると、他のグループと自然と発表し合って互いに比べ合ったり、認め合ったり、学び合いながら活動している姿が印象的でした。
また、限定した活動の中でも創作活動の楽しさ、可能性を感じて、次から次へとアイデアがあふれ出しました
本時で触れていない楽器のスプライトを見付け、ALTに英語名を聞いて覚えるような姿も見られました

音源が保証されているので、安心して音作りができました。

スプライトが予め用意されているので、準備が省略されることや準備されている画像がユニバーサルで、

視覚的に指示が入りやすいです。

チュートリアルが用意してあり、容易に課題を達成できる。さらに、達成したゴールより上位の目標を設定し、

児童自らが活動することができます。

サインインすれば作品を残すことができ、作業の続きができることです。

さらに、世界の人と情報を共有できること、協働できることを理解できました。

栃木県大田原市立大田原小学校 黒田充教諭

 

講師(特非)みんなのコード 主任講師 竹谷

 中学年の外国語活動では児童にとって興味のある題材でコミュニケーションの場を設定することが大切です。コンピュータを使った音楽づくりという活動は子どもたちの「おもしろそう、やってみたい!」という意欲を引き出すのに有効です。そして、ALTとの交流を通して楽器名についても英語と日本語の違いに気付いただけでなく、楽器を合わせた曲作りなど音楽的な創造活動へ向かおうという児童も現れていることからプログラミングを通して、外国語活動と音楽科のそれぞれで目指したい学びが融合していることが見て取れます。新学習指導要領でも重視されている教科横断的な学習が実現された事例です。

 この実践で使用したScratchは、ブロックを組み合わせることで自分の意図した活動を実現できるプログラミング言語です。最初からたくさんの楽器が組み込まれており、楽器名が英語で表記されています。自分が使いたい楽器がどれなのかはすぐには分かりません。そこでALTに尋ねるなどコミュニケーションをとる必然性が出てきます。高学年の場合、言語設定を英語にすれば「10歩動かす」が「move 10 steps」になり、動きや向きを表す英語を学ぶ活動と連携させることもできます。

 子どもたちがScratchの操作に慣れていたため、滞りなく活動が進んだということも重要なポイントです。こういったツールは単発で使うだけでは時間がかかるなどのデメリットの方が大きくなってしまうが、いろいろな学習場面でくり返し使うことにより使ったときの効果がどんどん大きくなります。小学校6年間の教育課程の中で、どこでプログラミング教育を取り入れ、何を使ってどのように進めるかという意図的・計画的な展開、すなわちカリキュラム・マネジメントが求められます。