正多角形×プログラミングで、平面図形の理解を深め、算数の深い学びにつなげる

 

教科の学びでのポイント

  • ロボットのキャラクターに正多角形を描かせるプログラムづくりを通して、正多角形と円についてのきまりの理解を深める事例です。

単元の目標

図形についての観察や構成などの活動を通して、平面図形についての理解を深める。
・多角形や正多角形について知る。
・円周率について理解する。

プログラミング的思考とのつながり

コンピュータに意図したとおりの正多角形を描かせるためのプログラムを考えることによって、正多角形についてのきまりを見つけさせたり、考えた方法がどんな正多角形でも当てはまるのか試行させたりします。いくつかの事象から類似性を見出し規則を一般化するという数学的思考と、意図した動きを記号の組み合わせで実現するプログラミング的思考を働かせることによって、図形の性質についてより深く学んでいきます。

評価規準

関心・意欲・態度 数学的な考え方 技能 知識・理解
身の回りから正多角形を見つけ、正多角形を作図しようとしている。また、円周率を用いて問題を解決しようとしている。 正多角形の作図の方法を考えたり、性質や特長を見いだしたりしている。また、円を実測して円周率について考えている。 正多角形を作図することができる。また、円周率を用いて、円の直径や円周を求めることができる。 正多角形の定義やその性質について理解している。また、円周率について理解している。

単元について

本単元では、正多角形の正五角形、正六角形、正八角形のかき方を考えることを通して、それぞれの正多角形の性質を学習し、中心角や周りの角の角度について目を向けさせていきます。また、円を使って正多角形がかけることや、正多角形の角の数が増えると円に近付くことから円周の長さに着目させ、円周率について理解させていきます。

児童はこれまでに第3学年において円の定義やかき方、半径と直径との関係について学習してきています。また、第5学年の「図形の角」の単元において三角形の内角の和が180°であることを理解し、そのことをもとに四角形、五角形、六角形などの内角の和について演繹的に考え、求めることをしています。

このような既習事項を想起しながら、円と正多角形を相互に関連付け、定義や性質についての理解を深めていきます。その学習活動を通して、根拠を明らかにし筋道立てて考える数学的な思考力を育てていきたいと考えます。

学習指導計画(全10時間)

学習活動 評価
「正多角形」という用語を知り、その意味や性質について理解する。 正多角形の定義を理解している。
円の中心の周りの角を等分して正多角形をかく方法を理解する。 円を利用した正多角形の作図の方法を考えている。
円の周りを半径で区切って正六角形をかく。また、その方法で正六角形がかけるわけを考える。 正多角形の性質を利用して、正多角形を作図することができる。

本時
正多角形の一つの内角の大きさをもとにして正多角形をかく方法を考える。 正多角形の一つの内角の大きさをもとにして正多角形をかくときのきまりに気付いている。
「円周」について知り,円周は直径の3倍以上4倍以下であることを理解する。 円に内接する正多角形の周の長さと直径の関係から円周の長さを近似して考えている。
6・7 いろいろな円の直径と円周の長さの関係を調べる。円周と直径の関係を式に表し、円周率の意味や求め方を理解する。 円周の長さは直径で決まることに気付いている。円周率について理解している。
円周率を用いて、円周の長さや直径を求める。 円周率を用いて、円周の長さや直径を求めることができる。
既習事項の理解を深める。
10 既習事項の確かめをする。

※この例では第4時に位置付けていますが、児童の実態によっては第9時もしくは第10時で学習したことの活用として位置付けるのも有効です。

本時について

目標 正多角形をかくプログラムを考えることを通して、正多角形をかくときのきまりに気付くことができる。

学習活動 ○指導上の留意点 ☆評価
0

 

 

5

 

 

 

20

 

 

 

 

 

 

30

 

 

 

 

 

 

 

 

 

40

■既習事項の確認をする

多角形の内角の和について学習したことを想起する。

■課題をつかむ

プログラムづくりを通して正多角形をかくときのきまりを考えよう。

■プログルの基本操作を知る

ブロックのつなげ方、外し方、消し方、実行やリセットのしかたを知る。

■正方形のかき方を考える

辺の数が4本、一つの角が90°をもとにして考える。

■正三角形のかき方を考える

一つの角の大きさを求める。

辺の数3本、一つの角60°をもとにして考える。うまくいかない場合、どこを変えればよいか考える。

必要な数値を変えてやり直す。

■正六角形のかき方を考える

正三角形でうまくいかなかったことをもとに考える。

■正五角形のかき方を考える

これまでの結果を表にまとめ、きまりを考える。

きまりをもとにして、正五角形がかけるプログラムを考える。

■いろいろな正多角形のかき方を考える

自分で考えた正多角形をかくプログラムを考える。

できた多角形とプログラムを発表する。

■ふり返りをする

「今日の授業で感じたことや考えたこと、もっとやってみたいことを書きましょう。」

 

◯三角形の内角の和が180°であることをもとにすることを確認する。

 

 

 

◯ステージ5(正三角形)までは教師の操作により学級全体で考えるようにする。

 

◯繰り返しブロックの使い方を確認する。

 

◯「60°回す」ではうまくかけないことを確認する。
◯外角の大きさを考えるとうまくかけることに動作化などで気付かせる。

 

 

 

 

 

 

◯繰り返す数×回す角度が360°になることを確認する。

 

 

☆試行錯誤しながらも自分の考えをプログラムで表現しようとしているか。(観察・成果物)

 

準備環境

使用したプログラミング言語や実行環境

  • 使用した教材:プログル (多角形コース)
  • 教材の特徴:利用費用も無料のため、実際の授業に取り入れる際に、特殊なICT設備がない学校でも利用可能。実際の45分間の授業での利用を想定した実践的な教材

教室の設備

  • 実施場所:教室
  • ICT環境:学校にタブレット 40 台あるので、校内でカリキュラムを組んで使用。
  • 児童1人1台ずつ使用。インターネットは狛江市教育委員会がフィルタリングソフトで有害なサイトをブロックする環境で使用。

 

振り返り

 

児童

 「プログラムで思った通りに動かず、大変なこともあったけれど、ロボットもプログラム で動いているので、作っていてあらためてすごいなと思いました。」 

 

 学習したことを活用して取り組むことができます。
三角定規や分度器を利用して正多角形を作図する際には円や半径、中心角を利用して書きますが、多角形の辺と内角を利用しても、正多角形の作図ができることを理解できます。
児童は取り組んでいる最中に正六角形の内角は120度だから…正五角形は(180-72)÷2×2だから…というように児童は学習したことを存分に発揮してくれることでしょう。

東京都杉並区立杉並第十小学校 教諭 栗山 崇志

(特非)みんなのコード 代表理事 利根川裕太

プログルは、ブロックを組み合わせたり、値を変えたりすることで、楽しみながら多角形の性質に気づくことができます。 実践した先生のお話を聞くと、クリアできると子どもたちからは「やった!」といった声が上がるなど、それぞれ楽しみながら学んでいたようです。 また、「正十角形、正二十角形になると円に近づくんだ…」といった発言があったり、正多角形だけでなく星型などの違うデザインの図形を描いてみる子どもが登場したりと、単にプログラミングを学ぶだけではなく、子ども達の創造性を伸ばせる事例だと思います。