VISCUITで自分のデジタルアートを作成して造形的な見方・考え方を身につけよう

 

教科の学びでのポイント

  • VISCUITを活用して自分のイメージする作品を作り出すことでプログラミング的思考を養う

題材の目標

ビジュアルプログラミング言語「VISCUIT(ビスケット)」を活用して動く模様をつくり、互いに鑑賞し合うことを通して、それぞれのよさや美しさを感じとり、表現の意図や特徴などをとらえることができる。

プログラミング的思考とのつながり

新学習指導要領解説図工編では、造形的な見方・考え方とは「感性や想像力を働かせ、対象や事象を、形や色などの造形的な視点で捉え、自分のイメージを持ちながら意味や価値をつくりだすこと」としている。

 また、新学習指導要領解説総則編では、プログラミング的思考とは「自分が意図する一連の活動を実現するために、どのような動きの組合せが必要であり、一つ一つの動きに対応した記号を、どのように組み合わせたらいいのか、記号の組合せをどのように改善していけば、より意図した活動に近づくのか、といったことを論理的に考えていく力」であるとしている。

 VISCUITを使うと、シンプルな形を組み合わせ、同じものを複製したり動きをつけたりすることができる。そのことによって子どもたちの感性や想像力が刺激され、自分なりのイメージが生成される。それを実現するには形や色をどう組み合わせ、どう変化させていけばいいのかを友達と互いの作品を鑑賞しながら試行錯誤を重ねて見つけていく活動は、プログラミングを通して造形的な見方・考え方をはたらかせる深い学びにつながるのである。

評価規準

造形的な関心・意欲・態度 発想や構想の能力 創造的な技能 鑑賞の能力
形や色、動きの美しさやおもしろさを生かした活動をすることに興味をもとうとしている。 形や色、動きの効果を考えながら、表したい世界を考えたり、見つけようとしている。 形や色の組み合わせを試したり、動きの美しさやおもしろさを表したりするための工夫をしようとしている。 形や色、動きの美しさやおもしろさを見つけたり、感じたりしながら、自分と友だちの表現の違いやよさを味わおうとしている。

題材について

本題材は、VISCUIT(ビスケット)というビジュアル・プログラミング言語を使ってつくり出した、シンプルな形や色を組み合わせた動く模様を鑑賞し、自分の見方や感じ方を深める活動である。一つ一つはシンプルな形でも、それが複製されたり組み合わせられたりすることによってときには万華鏡のような世界が生み出されることの楽しさを感じられるようにしたい。

 友達と作品作りのプロセスを共有し、そこから生まれる新たな発想によって自分の作品をブラッシュアップしていく学びの過程を通して、「主体的・対話的で深い学び」を実現できるようにしたい。

本時について

1. 目標 ビジュアルプログラミング言語「VISCUIT(ビスケット)」を活用して動く模様をつくりその形や色のよさや美しさ、面白さに関心をもって見ることを楽しむ。

2. 展開

学習活動 ◯指導上の留意点 ☆評価
0

 

 

 

 

 

10

 

 

20

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

40

 

■前時の内容を想起する

●VISCUITでのプログラムのつくり方を復習する。

●動きを考える。

  ・どうなるか分からない…

 ・増えていく?

■課題をつかむ

色・形を工夫して、動く模様をつくってみよう!

■各自で模様をつくる

●線、丸を描き、めがねに入れて、動く模様をつくりだす。

・線が増えて面白い模様になった!

・回転させると不思議な動きになった!

友達の作品を鑑賞する。

・きれい!どうやってつくったのかな。

・こういうプログラムになのか。

■鑑賞したことを活かす

●友達がつくったプログラムを生かして、もう1度取り組む。

●改善したものを再度鑑賞し合う。

■ふり返り

●感じたことをふり返りシートに書き込んで、互いに伝え合う。

◯線と丸を描き、それを自由に動かしてみるよう伝える。

◯回転の技術を提示する。

◯左のめがねに線を1本、右のめがねに回転させた線を1本、丸1つ置くと画面はどのように変化していくかを考えさせる。

 

 

 

 

 

◯色・形を工夫して表すことができた児童の模様を紹介する。

◯班の友達同士で作品を見合い、アイデアを共有したり、教え合ったりするよう伝える。

◯動きを再生する方法を提示する。

◯気になった作品は、仕組みも確認するように伝える。

◯背景色を変更する方法を提示する。

◯はじめからやり直す方法を提示する。

◯色・形を工夫して表すことができた児童の模様を紹介する。

◯自分の作品だけではなく、友達の作品の美しさ、面白さなどの気付いたところ感じたことを記入するように伝える。

☆シンプルな形をプログラミングによって組み合わせてできた模様や動きのおもしろさを味わっている。(鑑賞の能力)

☆友達の作品から感じたことを自分の作品の工夫に活かしている。(発想や構想の能力)

3. 評価 つくった動く模様の形や色のよさや美しさ、面白さに関心をもって互いに見合うことを楽しんでいたか。

準備環境

使用したプログラミング言語や実行環境

  • 使用した教材:viscuit(ビスケット)
  • 教材の特徴:難しい言語やブロックを必要とせず、指で直接タブレットの操作ができる。

教室の設備

  • 実施場所:インターネット接続可能な教室
  • ICT環境:PCまたはタブレットを児童1人1台ずつ使用

振り返り

 

府中市立府中第三小学校 山内佑輔 教諭

絵を描くように直感的に扱えて、プログラミングの特性を生かしながら取り組めるVISCUITは図工との相性が良いと考えています。結果がすぐに「動き」として現れることで、「次はこうしてみよう!」という意欲に繋がります。子供たちは「プログラミング的思考」を働かせながらも、色や形を工夫し、絵を描くように表現を楽しんでいました。展覧会という学校行事で、できあがった作品を大画面で映写すると、そこはまるで別の世界!大人からも子供からも大きな歓声が上がりました。

(特非)みんなのコード 主任講師 福田晴一

自分の思いを文章や書で表現、絵画・立体物で表現、歌や器楽で表現、身体活動で表現するように、プログラミングもイメージを動きで表現するものと言える。図画工作の場合、一度着色してしまうと修正が難しく、自身のイメージの表出に至らない場合が多い。今回、VISCUITを活用することで、形はもとより着色の修正も容易である。その上に「動き」という表現が可能になることは、児童にとってこの上なく図画工作の目標が達成されやすいツールと言える。