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円と正多角形(5年・算数)

 

 

教科の学びでのポイント

  • 実際のロボットをつかって正多角形を描くプログラムをつくり、正多角形と円についてのきまりの理解を深める事例です。

単元の目標

・観察や構成などの活動を通して正多角形の性質について理解する。また、円と組み合わせて正多角形を作図することができる。
・円周について理解するとともに、直径、円周、円周率の関係を理解し、円周の長さや直径の長さを求めることができる。

プログラミング的思考とのつながり

本時の目標は円の中心角を等分する方法で正八角形、正六角形を作図することである。分度器と定規を用いて作図を行う場合「時間がかかること」「正確に作図するのが難しいこと」がデメリットとして考えられる。また等分した中心角の角度を測って作図する場合、同じ作業を繰り返していることにも着目したい。
児童には上記の点に目を向けさせ、「短時間で」「正確に」また「同じ作業を繰り返す」ことはコンピュータの得意分野であることに気づかせる。ここから児童一人一人が正多角形を作図するプログラムを組んでみたいという意欲をもって学習に取り組むことができるようにする。

本時においてはプログラミング教材embotを用いて、円の中心角を等分する方法で正多角形の作図を行う。段ボールロボットである特性を活かし、中心角を等分する方法で作図をできるような多角形作図ロボットにembotを変身させて児童に提示する。embotの大きな特徴としてはロボットが実際に頂点を取る動きをするため、視覚的に学習内容が理解しやすい点が挙げられる。またブロックの数値に円の中心の角度を等分した数値を変えてプログラミングをしていくため、学習の定着が図られると予想される。さらに本時では正八角形と正六角形を作図することを目標としているが、目標を達成した児童に対してはブロックの数値を変えて他の正多角形の作図をするという学習や発展させることが容易にできる。

本時の学習を通して児童は自分の考えたとおりにロボット動かしたいという意欲を持ち、作図の手順を考えることでプログラミング的思考を醸成し、中間発表におけるディスカッションでトライ&エラーの姿勢を身につけることができると期待される。

評価規準

関心・意欲・態度 数学的な考え方 技能 知識・理解
・身の周りの正多角形に関心を持ち、正多角形を構成したり作図したりしようとしている。
・円の直径と円周の関係に関心をもち、関係を調べようとしている。
・円と組み合わせることで、正多角形の性質や特徴を見出したり、正多角形の作図の方法を考えたりしている。
・円周を直径の割合が一定であることを捉え、円周率を見出している。
 

・円と組み合わせることで、正多角形の性質や特徴を見出したり、正多角形作図することができる。
・円周率を用いて、円の直径から円周を求めたり、円周から直径を求めたりすることができる。

・正多角形について知り、平面図形についての理解を深めている。
・円周率の意味や、円周率は3.14を用いることなどを理解している。

単元について

児童はこれまでに第2学年で正方形、第3学年で正三角形を学習してきている。また第5学年の「図形の角」の単元において三角形の内角の和が180度であることを理解し、そのことをもとに四角形、五角形、六角形などの多角形の内角の和について学習してきた。また、円については第3学年「円と球」において円や直径、半径の定義や作図の方法などについて学習してきている。このような既習事項を想起しながら円と多角形を相互に関連づけ、定義や性質についての理解を深めていく。

本単元では正八角形、正六角形の書き方を考えることを通して、それぞれの正多角形の性質を学習し、中心角や周りの角の角度について目を向けさせていく。また円を使って正多角形が描けることや正多角形の角の数が増えると円に近づくことから、円周の長さに着目させ、円周率について理解させていく。

正多角形は円に内接するということを実感を伴って見いだすことによって、それが円周率の学習、さらには第六学年における円の面積の学習にも活用できる知識となっていく。

学習指導計画(全6時間)

学習活動 評価
「正多角形」の意味や性質を理解するために、円形の紙で作った正六角形や正八角形の特徴を調べる。 正多角形の意味や性質を調べようとしている。
正多角形の意味や性質を理解している。


本時
円の中心角を等分する方法で、正八角形、正六角形をかく。 円をつかって正多角形をかくことができる。
正多角形は円の中心角を等分すればかけることを理解している。
円の周りを半径の長さで区切る方法で正六角形をかき、その方法でかける理由を考える。 直径と円周の長さの関係について見通しをもって調べようとしている。

円周率の意味や求め方を理解し、円周の長さを求めることができる。 円周の長さを求める式を、円周率の意味や求め方から考え、説明している。

 

本時について(全6時間)


目標 円と組み合わせて正多角形を作図することができる。

学習活動 ○指導上の留意点 ☆評価
0

 

 

 

 

10

 

 

20

 

 

 

 

30

 

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■課題をつかむ

○前時で学習した折り線のついた紙から正多角形をかく方法を考える。

・着目すべき構成要素の見当をつける。
・円の中心角を等分している。

○定規と分度器では作図に時間がかかること・繰り返し作業であることに気づかせる
・コンピュータの得意分野だね
・プログラミングして作図してみたい

embotを使って正六角形をかこう

■embotをつかって正多角形をかく方法を考える

・角度のブロックを使えばいいと思う
・ひとつの角度は60°になる

■ グループごとにプログラミングして正六角形をかいてみる

・□秒待つのプログラミングを使う必要がある。

■中間発表と課題を共有する

・発表を聞いてわかったことをプログラミングにいかそう
・ちがう図形も作図してみたい

■最終発表をする

・各グループの良い点を交流する
・正多角形の作図方法をまとめる

 

◯図形を構成する要素のうち円の中心角を等分することに着目できるようにする

◯ひとつの角は360°÷6で求められることに気づかせる

◯教師が定規と分度器で作図してみることで時間がかかること、繰り返し作業であることに気づかせる

◯授業サポートツールのマグネットを使ってプログラミングの見通しを立てさせる

◯教師が定規と分度器をつかって作図した工程を想起させる

◯サポートが必要なグループにはヒントを与える

 

 

◯課題を達成しているグループには課題以外の図形を作図してみるよう促す

 

 

◯次時の学習につなげる

評価
正多角形は円の中心角を等分すればかけることを理解している。
円を使って正多角形をかくことができる。


準備環境

使用したプログラミング言語や実行環境

  • 使用した教材:embot(エムボット)
  • 教材の特徴:embotは、ダンボールを用いたロボットを自由に組み立てることで電子工作やものづくりの基礎を学ぶとともに、そのロボットをタブレットやスマートフォン上でのビジュアル・プログラミングを通じて子供でも簡単に操作することがでるロボットです。

教室の設備

  • 実施場所:普通教室
  • ICT環境:電子黒板、iPadとembotを児童2人につき1台

 

振り返り

本単元に関して、中心角の値をつかってコンピュータに作図させることのできる教材はなかなかありません。embotは、サーボが動いて頂点を取っていくことで「中心角を等分する」ということの実感をもって学習できていたことが、学習内容とマッチしていてとてもいいなと思います。
算数の授業が終わっても「もっとやりたい!」と、全員が意欲をもって学んでいたのが印象的でした。普段、算数が苦手な子も、前向きな姿が見られたり、本授業だけでなく、家で正多角形について考えてきた子がいたり、円の学習や立体の学習にも今回の学びがつながっていたのには驚きました。

元 雫石町立御所小学校教諭 横沢先生

(特非)みんなのコード 主任講師 竹谷正明

この実践の特徴は円の中心角を等分して作図する方法を採っていることと、コンピュータの画面の中ではなくロボットを操作して紙の上に描かせているところにあります。人間が紙の上でやっていることを、図形の性質を押さえて適切に命令すれば正確に何度でも同じように実行させられることを理解させられる活動です。意図した通りにロボットを動かせることを実感したからこそ、子どもたちはさらに意欲を高め、発展的に学ぼうという姿勢につながったのだと考えられます。

 

クリエイティブ・コモンズ・ライセンス
この 作品 は クリエイティブ・コモンズ 表示 – 非営利 – 継承 4.0 国際 ライセンスの下に提供されています。