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オリジナルロボットに動きを付けて効果的な表現を考えよう(6年・図工)

題材の学びでのポイント

  • ロボットの色や形、動きを組み合わせることを連想させながら作る過程で、造形的な見方・考え方を働かせる学びにつなげる

題材の目標

「embot」を活用して動くロボットをつくり、互いに鑑賞し合うことを通して、それぞれのよさを感じとり、表現の意図や特徴などをとらえることができる。

プログラミング的思考とのつながり

新学習指導要領解説図工編では、造形的な見方・考え方とは「感性や想像力を働かせ、対象や事象を、形や色などの造形的な視点で捉え、自分のイメージを持ちながら意味や価値をつくりだすこと」としている。また、新学習指導要領解説総則編では、プログラミング的思考とは「自分が意図する一連の活動を実現するために、どのような動きの組み合わせが必要であり、一つ一つの動きに対応した記号を、どのように組み合わせたらいいのか、記号の組み合わせをどのように改善していけば、より意図した活動に近づくのか、といったことを論理的に考えていく力」であるとしている。

 「embot」を使い、自分たちそれぞれのイメージを持ち寄り、それを実現するには形や色、動きをどう組み合わせ、どう変化させていけばいいのかを友達と話し合い、互いの作品を鑑賞しながら試行錯誤を重ねて見つけていく活動は、プログラミングを通して造形的な見方・考え方をはたらかせる深い学びにつながるのである。

評価規準

造形的な

関心・意欲・態度

発想や構想の能力 創造的な技能 鑑賞の能力
形や色、動きのよさやおもしろさを活かした活動をすることに興味をもとうとしている。 形や色、動きの効果を考えながら、表したい世界を考えたり、見つけようとしたりしている。 形や色の組み合わせを試したり、動きのよさやおもしろさを表したりするための工夫をしようとしている。 形や色、動きのよさやおもしろさを見つけたり、感じたりしながら、自分と友達の表現の違いやよさを味わおうとしている。

題材について

本題材は、「embot」を使って、ダンス大会にあったデザインをするという共通のテーマで作品をつくる。デザインに合った形や色、動きを組み合わせてロボットをつくる。ロボットを鑑賞し、自分の見方や感じ方を深める活動である。組み合わせることによって、よりよいデザインができることの楽しさを感じられるようにしたい。

友達と作品づくりのアイデアを共有し、そこから生まれる新たな発想によって、自分たちの作品にしていく学びの過程を通して、「主体的・対話的で深い学び」を実現できるようにしたい。

本時について

(1)目標 「embot」を活用して動くロボットをつくり、その形や色や動き、面白さに関心をもってみることを楽しむ。

(2)展開(2時間)

学習活動 〇指導上の留意点 ☆評価
5

 

 

 

 

 

 

 

 

40

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

20

 

 

 

 

 

 

20

 

 

 

 

 

5

■課題をつかむ

題材名:ロボットダンス大会をひらこう。

●「embot」でのプログラムのつくり方を知る。

●動きを考える。

〇つなげると動きが変わるみたい。

 

 

■各グループでロボットをつくる。

 

●個人でワークシートにアイデアを描く。

●班でホワイトボードにアイデアをまとめる。

●まとめたアイデアを基にロボットのデザインを手分けして行う。

・ロボットの型紙を使って、色を付け組み立てる。

・動きをプログラミングする。

〇この手順にすると不思議な動きになった。

〇思った動きになった。

 

(5分休憩)

 

■友達の作品を鑑賞する。

〇どうやってつくったのかな。

〇あの動きはたぶん、こうプログラムしている。

 

■鑑賞したことを活かす。

●友達の班がつくったプログラムを活かして、もう一度取り組む。

●改善したもので再度、鑑賞する。

 

■ふり返り

●感じたことをふり返りシートに書く。

●感想を発表する。

〇基本的な動きを提示する。

〇プログラミングをして、それを自由に動かしてみるよう伝える。

 

 

 

 

 

 

 

〇「学校PR」をテーマに考える。

・同じ曲(校歌)に合わせた動きを考える。

・学校PRにあったデザインを考える。

〇班の友達同士で作品を見合い、アイデアを共有したり、教え合ったりするよう伝える。

〇気になった作品は、仕組みも確認するように伝える。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〇色や形、動きを工夫して表すことができた班の作品を紹介する。

〇自分たちの班の作品だけではなく、友達の班の作品のよさ、面白さなどの気付いたこと、感じたことを記入するよう伝える。

☆プログラミングによって組み合わせてできた動きのよさや面白さを味わっている。

             (鑑賞の能力)

☆友達の作品から感じたことを自分の作品の工夫に活かしている。(発想や構想の能力)

(3)評価 つくった動くロボットの形や色の動きのよさ、面白さに関心をもって互いに見合うことを楽しんでいたか。

 

準備環境

使用したプログラミング言語や実行環境

  • 使用した教材:embot
  • 教材の特徴:embotは、ダンボールを用いたロボットを自由に組み立てることで電子工作やものづくりの基礎を学ぶとともに、そのロボットをタブレットやスマートフォン上でのビジュアル・プログラミングを通じて子供でも簡単に操作することがでるロボットです。

教室の設備

  • 実施場所:インターネット接続可能な教室
  • ICT環境:embotをグループで1台ずつ使用

振り返り

児童の感想

 ロボットの手が動く角度など、細かいところを決めるのが楽しかった。

かんたんそうだったけど、意外とむずかしかった。

1から機械をつくることが とてもおもしろかった。

(友だちが作った)いろんなロボットを見られたのが楽しかった。

むずかしいプログラミングができた達成感がよかった。

embotを使った授業、児童は非常に楽しそうでした。

色と形でテーマを表現する、その中の一つとして、動きも要素として入れられたので図工の目的としてはとてもマッチングした教材であるかなと感じています。

型があるからこそ、それぞれの個性・アイデアの違いを出せたと思います。プログラミングにも集中して取り組んでいました。

江戸川区東小松川小学校 二瓶 奈緒美教諭

(特非)みんなのコード 主任講師 竹谷正明

この実践で使用したロボット教材 embot は、本体がダンボールでできています。加工や着色が容易にでき、子どもたちの発想を引き出しやすくなっています。さらに、プログラミングを取り入れることで、形や色という造形的な視点に動きの要素を加えることができ、表現の幅が広がります。また、他者と協働して新しい価値を生み出すという力が今後より重要になっていきます。グループで話し合いながら試行錯誤を積み重ねて作品を作っていく過程は、そういった力を育てる場にもなります。

 

クリエイティブ・コモンズ・ライセンス
この 作品 は クリエイティブ・コモンズ 表示 – 非営利 – 継承 4.0 国際 ライセンスの下に提供されています。