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和音でembot(5年・音楽)

 

教科の学びでのポイント

  • embotの単音ブザーを使って、グループで音の重なりを表現するプログラムを工夫する

単元の目標

  • 和音の響きの美しさを味わって聞いたり表現したりすることができる。
  • 和音の響きを感じ取って、音の重なりを表現するプログラムを友だちと工夫することができる

プログラミング的思考とのつながり

教科の学習で理解した和音のひびきや音の重なりのよさを基に、プログラミング教材で表現することで、新たな表現方法を試行錯誤したり、日常生活の中の音表現につなげたりできるようにする。

互いの作品を鑑賞しながら試行錯誤を重ねて見つけていく活動は、プログラミングを通して造形的な見方・考え方をはたらかせる深い学びにつながるのである。

評価規準

関心・意欲・態度 考え方 技能 知識・理解
音が重なり合う響きの美しさを求めて、聞いたり表現したりしようとしている。 音が重なり合う響きを感じ取って、演奏を工夫している。 響きの変化を感じ取って演奏したりしている。 音が重なり合う美しい響きを味わいながら聴いている。

単元について

 

本単元は、「和音や低音のはたらき」の学習を踏まえた発展学習として行う。音やフレーズのつなげ方や重ね方の特徴について、試行錯誤する中でそれらが生み出すよさや面白さを感じながら理解できるようにする。

 

学習指導計画 (全4時間)

 

学習活動 留意点・評価
相性のよい音の組み合わせを考え、和音の構成音の関係に着目する。

●下記の活動を教科外の時間として行う。

ダンボールロボットembotを、説明書を見ながら組み立てる。

できあがったembotを自分のイメージ通りに装飾・工夫する。

ロボット名・IDの設定をし、どんなプログラムがかけそうか考える。

embotの音を鳴らす機能をつかったプログラムを考える。

以前学習したドミソの和音についてふり返り、友だちと重ねたりずらしたりしながら響きを味わう。

 

○音の重なりや、和音の響きを意識して、プログラムに生かすことができている。

考えた表現を紹介し合うことを通して、和音のはたらきや音の重なりについて振り返り、今後やってみたい表現について考えをもつ。  ○音の重なりや、和音の響きに着目して、友達の表現を受け止めて、振り返ることができている。


本時について

1. 目標 音の重なりや和音の響きを工夫して表現しよう

2. 展開

学習活動 指導上の留意点 ☆評価
 

 

 

 

 

 

10

 

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■和音の復習

  • 1学期に学習したドミソの響きを思い出す。
  • 和音は重ねたりずらしたりして異なる響きを楽しめることを確認する。

■課題をつかむ

embotをつかって和音を楽しむプログラムを作ろう
  • embotのブザーを使って、どんなプログラムを作って見たいか自由にワークシートに記入する。


◼︎プログラムを組んでみる

和音の危機を楽しみながら、embotを実際に操作する。

◼︎ふり返りをする

 ◯実際にピアノで和訳を聞かせ、ワークシートともに重ねたりずらしたりしたときの響きを鑑賞する

 

◯意図を理解している児童のアイデアをクラスで共有する。特にペアやグループで音をつなげたり重ねたりする工夫を凝らすようなものを作ることを促す。

◯ シミュレーターを使うと、タブレットからの大きめの音をクラスで共有することができる。

◯ 和音の響きを感じられるプログラムができたグループのものをクラスで共有する。

☆音の重なりや、和音の響気を意識して、プログラムに生かすことができている。【活動】

評価

音の重なりや、和音の響きを意識して、プログラムに生かすことができている。【活動】

【A】和音の分散や音の重なりを考えたプログラムを試行錯誤できる。

【B】和音の分散や音の重なりに着目してプログラムを作っている。

【C】例示をしたり、グループを構成したりして、音楽の要素に着目させる支援が必要である。


準備環境

使用したプログラミング言語や実行環境

  • 使用した教材:embot(エムボット)
  • 教材の特徴:embotは、ダンボールを用いたロボットを自由に組み立てることで電子工作やものづくりの基礎を学ぶとともに、そのロボットをタブレットやスマートフォン上でのビジュアル・プログラミングを通じて子供でも簡単に操作することがでるロボットです。

教室の設備

  • 実施場所:音楽室
  • ICT環境:iPadを児童1人につき1台

振り返り

 

三宅村立三宅小学校 中村 亮太 教諭

テクノロジーを有用なものとして扱うことを学ばせるこれまでの実践と異なり、今回の授業のテーマはテクノロジーに親しみを感じてもらう性質が強くなったように感じます。
embotは自分で組み立てる活動にも意義を感じます。子どもたちの作品に一つとして同じものが出来上がってこないことが、音楽表現の自由度にも関係してくるような気がします。とはいえ、ブザーという縛りだけでは発想が無限に広がってしまい、教科とのつながりが薄れてしまうので、ワークシートを使って和音の音の重ね方の例をいくつか示しました。

(特非)みんなのコード 主任講師 竹谷正明

音楽を形づくっている要素のうち、音の重なりに視点を当てて、子どもたちのイメージした演奏を実現するためにembotの音の機能の使い所を「和音」に絞って活用した実践です。音楽科の特質と関連付けることがしっかり意識されていました。
ワークシートを使って考えるように促したことで子どもたちは和音をくずしたり重ねたりするイメージを記入していました。そのことが和音の性質を理解することにつながったようです。
1人1台の端末を使っていますが、音を重ねることで必然的に協働的な学びになった授業でもありました。

 

 

クリエイティブ・コモンズ・ライセンス
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